10BASE2 / 5


使用用途

ここでは、10BASE2および10BASE5で使用されるケーブルについて説明します。このインタフェースで使用するケーブルには、大きく分けて2種類あります。1つは、同軸ケーブルを使用したもので、どちらの規格でもネットワークのバックボーン(基幹)として使用するものです。もう1つは、10BASE5でのみ使用するものですが、そのバックボーンに機器を接続するために使うものです。では、ケーブルの説明に入る前にそれぞれの規格の違いを表1にまとめましたのでご覧ください。通信速度、アクセス方式や伝送方式などは同じですが、1本のケーブルで構築できるセグメントの距離、そのセグメントに接続できる機器の数、および使用するケーブルが大きく違います。

表1 イーサネットの特徴
規格10BASE510BASE2
伝達速度10Mbps
伝送方式ベース・バンド
伝送方式
最長セグメント長500m185m
ノード間距離2.5m0.5m
アクセス方式CSMA/CD
最大ノード数100台/セグメント30台/セグメント

■接続可能な通信機器

10BASE2:同軸
PC、ハブ、リピータ、メディア・コンバータ
10BASE5:同軸
トランシーバ
10BASE5
トランシーバ、PC、ハブ、リピータ、メディア・コンバータ、その他LAN機器

種類

ケーブルを選ぶ場合の要素
1.ネットワークの規格
2.ケーブルの種別:同軸
3.ケーブルの種別:トランシーバ(AUI)ケーブル

1.ネットワークの規格
表題にも書いてあるように“10BASE2”と“10BASE5”というネットワーク規格が存在し、どちらの規格のネットワークで使用するかがケーブル選択のポイントとなります。基本的に“10BASE2”と“10BASE5”で使用するケーブルは、それぞれが全く違う特性をもっていますので、混在して使用することができません。特性の違いについては表2を参照してください。

表2 各種同軸ケーブルの比較表
 10BASE510BASE2RG59RG62二軸
品番LCN100LCN300ETN59ETN62EWN010
インピーダンス50Ω050Ω75Ω93Ω100Ω
キャパシタンス27.5pF/ft.31pF/ft.21.5pF/ft.13.5pF/ft.15.5pF/ft.
使用コネクタNタイプBNCBNC/TNCBNC/TNCTwinax
ケーブル外径1.02cm0.5cm0.6cm0.6cm0.8cm
ケーブル/用途
Thinnet
イーサネット

Thicknet
イーサネット
IBM3270
ビデオ
IBM3270

AS/400
IBMシステム3X

2.ケーブルの種別:同軸
“10BASE5”ネットワークで使用する同軸ケーブルは、ネットワークの基幹(バックボーン)となる部分のみに使用されるケーブルです。“イエロー・ケーブル”や“シック(Thick)・ケーブル:太いケーブル”とも呼ばれています。コネクタは、Nタイプ・コネクタ(イラスト参照)という1芯同軸タイプを使用しています。
“10BASE2”ネットワークで使用するケーブルは、“10BASE5”ケーブルに比べ細いタイプの同軸ケーブルを使用します。別名“チーパー(Cheaper:安い)ネット・ケーブル”や“シンネット(Thin:細い)・ケーブル”とも言われています。“10BASE2”ネットワーク自体が、“10BASE5”ネットワークをより安価で配線がしやすいようにと開発されたものなので、このような名前がついたのです。“10BASE2”ネットワークでは、ネットワークのバックボーンを構成するケーブルと機器を接続する場合に使用するケーブルが同一なので特にケーブルを使い分ける必要はないのですが、“10BASE2”ケーブルと同じBNCコネクタを使ったケーブルが存在することに注意してください。ビデオ機器やIBM システム3270などに使用するケーブルがそれです。使用するコネクタが同一でケーブルの細さなどの外観がほとんど同じなので間違えないように注意してください。外観は同じでもケーブル自体の特性(インピーダンス)が違います。“10BASE2”に使用するケーブルはインピーダンスが50Ωですが、ビデオ接続用は75Ω、IBMシステム3270用は75Ωおよび93Ωとなります。よって、ターミネータを接続した際に、正しく終端されずにネットワーク障害が発生することが考えられるからです。

3.ケーブルの種別:トランシーバ(AUI)ケーブル
“10BASE5”ネットワークについては、使用する箇所によりケーブルが異なります。ネットワークのバックボーンになる部分には先にも説明した同軸タイプのケーブルを使用しますが、そのバックボーンとなるケーブルに機器を接続する場合は“トランシーバ・ケーブル(AUIケーブル)”と呼ばれるケーブルを使用します。これは“10BASE5”特有のケーブルで、ネットワークに機器を接続するため使用するトランシーバ(MAU:Media Attachement Unit)と呼ばれる機器とネットワークに追加する機器間を接続するのに必ず必要となるケーブルです。 コネクタは、X.21インタフェースなどで使用されるDB15コネクタに、コネクタを機器に固定するためにオス・コネクタ側には“ロック・ポスト”、メス・コネクタ側には“スライド・ラッチ”と呼ばれる固定具がついているものを使用し、必ずオス・コネクタとメス・コネクタが両端についた形のケーブルとなります。その理由としてトランシーバ自体が(メス・コネクタをインタフェースとして持っている)他の装置から電源供給を受けて動作するように作られているからです。(トランシーバには、オス・コネクタが装備されています。)ケーブルは同軸タイプではない、より対ケーブルを使用したものです。結線は以下を参照してください。また、最大延長距離は約50mまでと決められています。

種類

1.結線
このネットワーク規格で使用される同軸ケーブルには、結線パターンは存在しません。ですが、唯一“10BASE5”ネットワークに使用するトランシーバ・ケーブルにのみ結線が2種類存在します。

  1. Ethernet Ver.2.0
  2. IEEE802.3
各ピン配置については、以下を参照ください。

2.接続距離
各ネットワーク規格毎に異なります。詳細については 表1 の表をご覧ください。

3.対応通信速度

対応通信速度に関しては、“10BASE2”および“10BASE5”ともにIEEE802.3により10Mbpsまでと決められています。

4.配線について
“10BASE5”に使用する同軸ケーブルは、非常に太くて硬いケーブルなので、一度配線してしまうと移設が難しいといった難点があり、“10BASE2”用のケーブルは、機器を接続する場合に中継コネクタを使って接続しなければならないといった拡張面での煩雑性があります。両規格ともに通信速度が10Mbpsまでにしか対応していないので、新規にネットワークを構築する場合、現在ではほとんど使用されていません。また、“10BASE2”は、“10BASE5”より安価で配線がし易いものをということで標準化されたのですが、どちらの規格もバックボーン配線の一部に障害が発生すると、ネットワーク自体が使い物にならなくなってしまうといったバス接続特有の難点もあります。その代わりに現在では、ネットワークの一部に障害が起きても他のネットワークに影響を及ぼすことが少ないスター型配線形態を採用し、より配線がしやすいUTPケーブルを使用した“10BASE-T”や“100BASE-T”規格が主流となっています。
次に“10BASE5”ネットワークで使用するトランシーバ・ケーブルに関してですが、BLACK BOXでは2種類のタイプのケーブルをご用意してあります。
1つは“オフィス環境向け”のケーブルです。このケーブルはオフィス内などでの配線がしやすいように細くて柔らかい材質のケーブルを使用して作られています。
もう1つは、“高耐久版”と呼ばれるケーブルで、“オフィス環境向け”ケーブルと比べ、ケーブル被覆が厚くシールド処理が追加されており、ケーブルを構成する導体(芯線)自体もより太いものが使用されています。若干配線がし辛くなりますが、工場内や人が多く出入りするような場所での使用に適しています。

    


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