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ネットワークにおける PoE - 規格・電力・タイプ

ネットワークにおける PoE
規格・電力・タイプ

Black Box Explains

ネットワークにおける PoE

PoE は、LAN ケーブルで PoE 対応機器に電力を供給します。電気配線が不要で、機材購入と設置時間の節約になるのと、電源の近くに機器を設置することを考慮する必要がないなど、フレキシブルなため、特にリモート用途において大変便利です。こうした利点により PoE は近年需要が高まっているといえ、電源の問題は常に制限の要因になっています。

PoE の機能

PoE の動作はシンプルです。LAN 規格に適合するイーサネットケーブルは 4 つのツイストペアケーブルで構成され、PoE はこれらのペアを介して PoE 対応機器に電力を送ります。最初の PoE 規格では 2 ペアのツイストペアでデータを、残りの 2 つのペアで電力を送信していましたが、新しい PoE 規格では、4 ペアのツイストペアすべてで電力とデータの両方を送信します。

電力とデータの両方が同時に送信されても、電力とデータは反対の周波数スペクトルにあるため、互いに干渉はありません。電力は 60Hz 以下の低い周波数で、データ伝送周波数は 10MHz~100MHz の範囲内です。

Power over Ethernet Application Example

802.3at PoE 規格とは?

現在最高の性能を発揮する PoE 規格は IEEE 802.3at であり、PoE 機器に最大 30W の電力を供給します。これは、VoIP 電話、ワイヤレスアクセスポイント、セキュリティカメラなどの機器には十分な電力ですが、フラットスクリーンディスプレイ、LED 照明、小売 POS 端末などの技術には足りません。

802.3bt PoE 規格とその電力は?

高い電力へのニーズに対応するために、IEEE は容量を大幅に増やす新しい PoE 規格をリリースする予定です。IEEE 802.3bt は、4 ペアのケーブルで電力を供給することにより、ソースで最大 60W〜100W の電力を可能にします(これまでは 2 ペアの電力供給が限界)。供給される電力が増えたことで、PoE をより広範な機器や用途に利用できるようになりました。さらに、ケーブルの電力損失を最小限に抑え、潜在的な電力損失を半減させてエネルギー効率を向上させるでしょう。

PoE 802.3bt 対応速度

既存規格の最大速度は 1Gbit ですが、新規格が 2.5GBASE-T、5GBASE-T、10GBASE-T に対応することで、既存の規格間で中間的なデータ速度を生み出すことになるでしょう。新しい規格はまだ IEEE802.3bt に認証されてはいませんが、Type 3 と Type 4 に互換性のある製品はすでに市場に出ています。

PoE タイプと電力

PoE Type 1 と PoE Type 2

以前の PoE 技術には、IEEE 802.3af とよばれる PoE Type 1 と 802.3at や PoE+ としてよく知られる PoE Type 2 がありました。どちらも 2 ペア PoE を使用し、Type1 は、ポートあたり最大 15.4W、Type2 はポートあたり最大 30W です。

PoE Type 3 と PoE Type 4

新 802.3bt 規格の2 つのタイプ:Type 3 と Type 4
Type 3 は、4 ペア PoE、4P PoE、PoE++、UPOE とも呼ばれ、1 ポートあたり 60W の電力を供給し、ビデオ会議機器やビル管理機器に最適です。

注意:2014 年、Cisco は新規格に先駆けて、ネゴシエーション後 4 ペアすべてのツイストペアで最大 60W の電力を供給できる独自のソリューションをリリースしました。ユニバーサル パワー オーバ イーサネット(UPOE)と呼ばれるこの技術は、802.3bt が認証された後も引き続きオプションとして残るでしょう。

Type 4(別名高電力 PoE)は、最大 100W の DC 電力(各機器に 71W)を提供する高い電源供給能力を持ち、フラットスクリーンやノート PC に対応します。

PoE 用途と利点

  • データと低電力製品に、1 本のツイストペアケーブルで済みます。 PoE に最適なケーブルを選択するには
  • 上記の用途に加えて、PoE はビデオ監視、建物管理、スマートサイン、自動販売機、小売情報システムにも適しています。
  • 電気配線を行う必要がないので、費用を節約できます。
  • 機器の移動を簡単に、移動時の混乱も最小限に抑えます。
  • LAN が UPS によって停電から保護されていると、LAN に接続している PoE 機器も停電から保護されます。
POE Application: Security Cameras

Black Box には、以下のような高電力機能を活用する幅広い PoE 製品が用意されています。

PoE イーサネット スイッチ

PoE イーサネット スイッチは、通常の機能の他に電源装置としても機能します。ワイヤレスアクセスポイントやセキュリティカメラなどの PoE 対応機器にイーサネットケーブル経由で電力を供給します。
PoE イーサネット スイッチ シリーズ

PoE スプリッタ

PoE スプリッタは、データと電源を備えた PoE 信号を受信します。データと電源を 2 つの異なる回線に分け、非PoE 機器に対応します。
PoE スプリッタ シリーズ

PoE リピータ / PoE エクステンダ

アクセスポイント、カメラ、VoIP 電話といった、遠くにある PoE 機器にアクセスするために、PoE 接続を 100m の距離限界を超えて延長します。
PoE リピータ / エクステンダ シリーズ

PoE メディアコンバータ

PoE メディアコンバータは、光ファイバや LAN ケーブルでネットワークを延長する理想的な方法であり、PoE 機器を長距離データリンクにリモートする電力を供給します。また、LAN ― 光ファイバコンバータと電源装置として、 1 つの機器ですべて機能します。
PoE メディアコンバータ シリーズ

PoE インジェクタ

PoE インジェクタは、1 本のイーサネットケーブルで同時にデータと電力を伝送します。VoIP 電話、セキュリティシステムカメラ、ワイヤレス ネットワーク アクセスポイント、Bluetooth® アクセスポイント、その他 802.3af 互換機に電力を供給します。これで、リモートカメラ、アクセスポイント、シンクライアントに AC 電源を設置する費用と手間を省くことができます。また費用や時間のかかる再配線を行うことなく、機器を部屋から部屋に移動できます。
PoE インジェクタ シリーズ

 

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