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光ファイバ vs 銅線

光ファイバ vs 銅線

ケーブル配線インフラストラクチャの新規敷設やアップグレードを計画する際に、光ファイバと銅線という2つの基本的な選択肢があります。これらはいずれも優れたデータ伝送を提供しますが、どちらを使用するかの判断が難しい場合もあります。多くの場合、現在のネットワーク、将来のネットワーク構築のニーズ、また特有の条件を考慮して選択することになります。その条件には、帯域幅、距離、環境、コストなどがありますが、状況によって銅線がよい選択だったり、光ファイバが適切な場合があります。


光ファイバケーブルは、幹線配線、水平配線、デスクトップアプリケーションを含めたケーブルの敷設やアップグレードで、最も急成長している伝送媒体になりつつあります。光ファイバケーブルは、高帯域幅、長距離、電気干渉に対する耐性が必要とされる用途で好評です。高データレートシステム、たとえばギガビットイーサネット、FDDI、マルチメディア、ATM、SONET、ファイバチャネル、そして、特に長距離で広い帯域幅を消費する大規模なデータファイルの転送が必要なネットワークでの使用に理想的です。つまり、光ファイバケーブルの典型的な用途は、大量のデータが送信されるネットワークのバックボーン(幹線配線)といえます。新しいネットワークに光ファイバが適切かどうか判断したい、または光ファイバに移行したい場合は、以下ご覧ください。


【 光ファイバ vs 銅線 】
  光ファイバ 銅線
帯域幅 10ギガビット、またはそれ以上 ギガビット
将来性 デスクトップ向けに進化 開発中の CAT7
距離 10Gbps で 40km+ 1000Mbps で 100m
ノイズ 耐性 EMI/RFI 干渉クロストークの影響を受けやすく、かつ電圧サージ
セキュリティ 不正アクセスはほとんど不可能  
取扱い 軽量で細径
強い引き強度
重く、より太い直径
厳密な引き仕様


光ファイバの優位性

より優れた帯域幅 — 光ファイバは、銅線よりもはるかに大きな帯域幅を提供し、最大速度 10Gbps のパフォーマンスが証明されています。そのため、ネットワークの速度と要件が増加しつつあるなか、ネットワーク設計者に将来の可能性を与えています。また、光ファイバケーブルは、銅線よりも高い忠実度となっており、より多くの情報を運ぶことができます。この理由により、電話ネットワークは光ファイバを使用しており、多くの CATV 会社が光ファイバに移行しています。

低い減衰とより長い距離 — 光ファイバ信号は光で形成されているため、伝送中に発生する信号損失は非常に少なく、より速い速度でより長い距離を移動することができます。非シールドツイストペア銅線にある 100m の距離制限(ブースタなしの場合)は、光ファイバにはありません。光ファイバの距離は、ケーブル、波長、ネットワークの形式にもよりますが、300m〜40km に達します。(ファイバの距離は、一般的にm単位で測定します)。光ファイバ信号は銅線信号よりブースティングが少なくて済むため、ケーブルが良好に機能します。


光ファイバのネットワークもまた、建物全体に装置を配置しワイヤリングクローゼットを設置するかわりに、1カ所のセントラル ロケーションにすべての電子機器やハードウェアを置くことが可能です。


セキュリティ — 光ファイバケーブルを使用すれば、データは安全です。光ファイバは信号を放出せず、不正アクセスが極めて困難です。ケーブルが不正アクセスされている場合、監視することは非常に容易です。ケーブルから光が漏れシステム全体に障害を引き起こすからです。ファイバシステムのセキュリティを破る試みがなされた場合、すぐ気づくことができます。


耐性と信頼性 — 光ファイバは、非常に信頼性の高いデータ伝送を提供します。光ファイバには、銅線ケーブルに影響を与える多くの環境要因に対して完全な耐性があります。光ファイバは絶縁体であるガラスで作られているので、電流が流れることがありません。つまり、電磁干渉や無線周波干渉(EMI / RFI)、クロストーク、インピーダンスの問題、その他多くの耐性があります。ファイバケーブルは、産業用機材のすぐわきに問題なく設置することができ、銅線よりも温度変化の影響を受けにくく、水に沈めることもできます。

デザイン — 光ファイバは、軽量で薄く、銅線ケーブルよりも耐久性があります。一般的に考えられているのと違い、牽引に耐える仕様になっており、銅線ケーブルの最大10倍の耐久性があります。また小型サイズのため取扱いが容易で、ケーブルダクト内で非常に少ないスペースしかとりません。光ファイバは終端処理が銅線よりも難しくはありますが、コネクタの性能向上が終端処理をさらに簡単にしています。これに加えて、光ファイバは実質、銅線ケーブルよりテストが簡単です。


移行 — メディアコンバータの急増と低コスト化が、銅線から光ファイバへの移行を大変容易にしています。コンバータは、シームレスなリンクを実現し、既存のハードウェアの使用を可能にします。光ファイバは、計画的なアップグレードでネットワークに組み込むことができます。


標準 — 新たな TIA/EIA 標準は、光ファイバをデスクトップにより近づけます。2001年に締結された TIA/EIA-785 は、ファイバ(100BASE-SX)上での、10Mbps のイーサネットから 100Mbps のファストイーサネットへのコスト効率の高い移行パスを提供します。規格に最近追加された条項により、トランシーバデザインにおける制限は排除されています。加えて、2002年6月に、IEEE が10ギガビットイーサネット規格を承認しました。


コスト ー 光ファイバケーブル、コンポーネント、ハードウェアにかかるコストは、着実に低下しています。光ファイバの設置コストは、終端処理にスキルが必要なため、銅線よりも高いですが、実際に長い目で見ればファイバはそれほど高価ではありません。光ファイバは一般的に、より少ないコストで維持でき、ダウンタイムははるかに少なく、ネットワーク構築に必要なハードウェアも比較的少なくてすみます。さらに、より高いネットワークパフォーマンスを得るための再配線を行う必要がありません。


マルチモード? シングルモード? また、デュプレックス? シンプレックス?

マルチモード ー マルチモード光ファイバケーブルは、最も一般的な光ファイバの用途に使用できます。デスクトップに光ファイバを導入したり、既存のネットワークにセグメントを追加したり、警報システムなどの小規模な用途に用いたりする際には、マルチモードファイバを使用してください。マルチモードケーブルには、50μ または 62.5μ の2つの異なるコアサイズが付属しています。


シングルモード ー シングルモードは、2~3マイルより長い距離に使用されます。電話通信事業者は、交換局間の接続のためシングルモードを使用しています。シングルモードケーブルは、8.5μ のガラスコアを備えています。


デュプレックス ー 同時双方向のデータ転送を必要とする用途には、デュプレックスマルチモードかシングルモードの光ファイバケーブルを使用してください。ワークステーション、ファイバスイッチとサーバ、ファイバモデム、同様のハードウェアにはデュプレックスのケーブルが必要です。デュプレックスはシングルモードでもマルチモードでも使用できます。


シンプレックス - シンプレックス光ファイバケーブルは、たった一つのファイバーリンクで構成されているため、一方向のデータ転送を必要とする用途のために使用すべきです。例えば、モニタリングステーションにトラックの重さを送信するインターステートトラッキングスケール、オイルフローに関するデータを中央の管理施設へ送信するオイルラインモニタです。シンプレックスファイバは、シングルモードタイプでもマルチモードタイプでも使用できます。


50μ ケーブル vs 62.5μ ケーブル

光ファイバの光搬送部分にあたるコアの直径は、当然ながら 50μ のファイバケーブルのほうが 62.5μ ケーブルより小さいです。しかし、ガラスクラッドの径についていえば、62.5μ ケーブルでも 50μ ケーブルでも、同じ 125μ となっています。50μ ケーブルは幹線配線、水平配線ができます。またこれらのケーブルは、特に新規建設、新規敷設における導入に適しています。どちらのケーブルも、LED かレーザ光源のいずれかを使用することができます。


50μ と 62.5μ のケーブルの間の大きな違いは、帯域幅です。50μ のケーブルは、特に 850nm で標準 62.5μ ケーブルの3倍の帯域幅を備えています。光源としてレーザがより頻繁に使用されるようになってきているため、850nm の波長がより重要になりつつあります。


その他の違いは、距離と速度です。50μ ケーブルは、850nm の波長で、リンクの距離がより長く、しかも速度はより速くなります。下記の表を参照してください。


【 50μ ファイバ vs 62.5μ ファイバ 】
ファイバタイプ 帯域幅(最小) 850nm で 1310nm で
50/125μm 500MHz/km 500m 500m
62.5/125μm 160MHz/km 220m 500m


フェルール:セラミック製フェルール? 複合フェルール?

一般に、幹線配線ケーブルのような重要なネットワーク接続や、ワイヤリングクロゼットの中にあるような頻繁に変更する接続には、セラミック製フェルールを使用してください。セラミック製フェルールはより精密に成形されており、ファイバにより近づいて密着し、光ファイバケーブルのより低い光学損失を実現します。


ネットワーク全体の動作にあまり重要でない接続や頻繁な変更が不要な接続には、複合フェルールを使用してください。セラミック製フェルールと同様、複合フェルールも低損失で高品質、長寿命を特徴とします。複合フェルールは精密に成形されたものではなく、比較的損傷を受けやすいため重要な接続には適していません。


光ファイバケーブルのテストと検査


銅線ケーブルの検査に慣れているお客さまなら、光ファイバケーブルの検査がいかに簡単かを知って、驚かれることでしょう。光ファイバケーブルには、電気干渉に対する耐性があるので、必要なのは、いくつかの測定値の確認だけです。

  • 減衰(dBの損失) - デシベル/キロメートル(dB/km)で測定され、ファイバケーブルを移動するにつれ信号強度が減少します。通常、減衰の問題は、マルチモード光ファイバケーブルにおいて、より一般的です。
  • リターンロス - ケーブルの遠端から光源に戻ってくる反射光の量です。数値が低ければ低いほどよいとされます。例えば、測定値が -60dB の方が、-20dB よりも良好です。減衰と同じく、通常、リターンロスはマルチモードケーブルでより大きくなります。
  • 屈折率分布 - 光がどのようにファイバに送られるかを測定します。その値は一般的に 850nm と 1300nm の波長で測定します。他の動作周波数と比較して、これら2つの範囲では、固有の電力損失が最も低くなっています。(注:これはマルチモードファイバのみに有効です。)
  • 伝搬遅延 - 信号が、伝送チャネルを介して、ある1つの地点から、別の地点に移動するまでに要する時間です。
  • 光時間領域反射率(OTDR) - ケーブルに高周波パルスを送信し、ケーブルに沿ってその反射を調べることにより、ケーブルの障害を検知することができます。OTDR 値には光信号が移動する距離が含まれているため、OTDR を使用することで、光ファイバケーブルの長さを決定することもできます。


現在の市場には多くの光ファイバテスタがあります。基本的な光ファイバのテスタは、ケーブルの一方の端に光を照射することで機能します。もう一方の端には、光源の強度に調整された受信機を置き、ケーブルのもう一方の端にどのくらいの光が届くかを測定することができます。一般的に、このテスタはデシベル単位で損失を明らかにし、ロスバジェットとの比較を可能にします。測定された損失がロスバジェットにより計算された数値よりも少ない場合、設置状態は良好です。

新しい光ファイバテスタは、広範な機能を有しています。850nm と 1300nm の信号を同時にテストすることができ、さらにはご使用のケーブルが特定の規格に準拠するかどうか、確認できます。

 

光ファイバ使用上の注意

敷設時に注意することで、光ファイバケーブルに特有の問題を回避することができます。

  • イントリンシックパワーロス - 光信号がファイバコアを通って移動するため、必然的に信号は、吸収、反射、散乱により、ある程度の速度を失います。この問題は、接続が正しく良好な状態になっていることを確認することで、容易に対応できます。
  • マイクロベンド - 極端な折り曲げ、締めつけによる狭隘、ねじれによって引き起こされる、ファイバ内の微小な偏差です。強化ファイバやその他特別な製造技術のケーブルを使用することで、この問題は最小限に抑えられます。
  • コネクタロス - 2つのファイバセグメントがずれているとき、コネクタロスが発生します。この問題は、一般的に接合不良によって引き起こされます。接合の工程でつけられた傷や汚れもまた、コネクタロスを引き起こすおそれがあります。
  • カップリングロス - コネクタロスと同様に、カップリングロスは信号パワーの低減をもたらします。コネクタ結合の際の終端処理が不十分だった場合に起ります。

光ファイバケーブルを敷設する際は、一般的な常識に倣い、注意して行ってください。欠陥のないコンポーネントを使用し、汚れやほこりを最小限にしましょう。過度にケーブルを引っ張ったり、コーナー周りで強い折り曲げをしないでください。そうすれば、ご使用中の光ファイバ設備は、長年にわたり問題なく作動します。

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