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インターネットプロトコル(TDMoIP)による時分割多重化

インターネットプロトコル (TDMoIP) による時分割多重化


TDMoIP (Time-Division Multiplexing over Internet Protocol) は、従来の音声、データ、ビデオをそのまま IP やイーサネット ネットワークインフラに変換する技術です。

音声の場合、TDMoIP はレガシー PBX (独自仕様の機能を含む)、ISDN、Q.SIG、SS7 などのあらゆるシグナリング、モデムレート、FAX レートだけでなく、ATM やフレームリレー、HDLC、ISDN、SNA、SS7、同期 / 非同期、X.25 といった、多くのデータ通信プロトコルもサポートしています。ビデオ転送の場合には、H.320(PRI) と H.324(BRI) もサポートします。その汎用性に加えて、Voice over IP(VoIP:インターネット上で音声通話を可能にする技術)よりも安価で簡単な TDMoIP は、企業やキャリア向けに最適といえます。

TDMoIP の動作のしくみ
マルチ入力 IP マルチプレクサ(多重化装置)のような TDMoIP のゲートウェイは、T1 / E1 やアナログ音声インタフェースでまずデータストリームを受信します。そのストリームは固定サイズのパケットに細断され、IP ヘッダが与えられます。次に、パケットは IP ネットワークを介して受信ゲートウェイに転送され、受信ゲートウェイは、IP ヘッダを除去してパケットを連結し、クロックを再生成することによって元のデータストリームを再構成します。データストリームは、標準の T1 / E1 やアナログ音声インタフェースでユーザへ提供されます。

TDMoIP と VoIP
TDMoIP と VoIP は、どちらも音声とデータを 1 つのネットワークで送信しますが、TDMoIP には大きなメリットがあります。

TDMoIP は、T1 や IP のような標準的で確立された技術を使用します。対して VoIP は、H.323、MGCP、SIP などの進化し続ける新しいプロトコルを中心に展開されているので、スタッフが一連のプロトコルを完全に習得するには、ひとつひとつ丁寧に学んでいかなければならず、コストがかかります。

TDMoIP を使う時は既存の PBX 機器が利用できますが、VoIP はすべての PBX をアップグレードする必要があるため、ビジネスに支障をきたすことがあります。TDMoIP はシグナリングやプロトコルに対して透過的なので、VoIP のようにシグナリング フォーマット間の変換を待つ必要はありません。

TDMoIP では、パケットサイズを設定できる一方で、VoIP のパケットサイズはコーデックサンプルに依存し、各サンプルが記録されるにつれてさらに遅延するので、音声セッションにはオーバーヘッドが加わります。

TDMoIP と VoIP は両方とも、音声とデータを 1 つのネットワークで送信することにより、管理やケーブル配線、ハードウェアのコストを削減しますが、VoIP は音声切替において複雑です。一方 TDMoIP は TDM をもとにした音声、ビデオ、データを IP 経由で転送できるので、投資コストを抑えます。

結論
TDMoIP を理解したら、次は TDMoIP ゲートウェイでの節約を検討してみましょう。IP 経由で T1 や E1 回線をエミュレートできるため、レガシー機器への投資を活かし、コストのかかるアップグレードを回避できます。さらに、ネットワークを IP に移行する際に、コストの高い T1 や E1 回線を利用しなくてもよくなります。