USB 標準規格では、USB 機器とホストの距離は最長 5m です。必ずしもユーザのすぐそばに USB 機器を設置できるとは限りませんが、セキュリティ、安全性、外観、ポリシー、プライバシー保護などの観点から、ユーザから離れた場所に USB 機器を設置するケースは少なくありません。
USB エクステンダは、ユーザから離れた場所に置かれた USB 機器にアクセスするための低コストなソリューションです。CATx、光ファイバ、LAN 接続などのメディアを利用して、USB 1.1、USB 2.0、USB 3.0 / 3.1 の信号を最長で 10km 先まで伝送します。
右のビデオでは、USB エクステンダがどこでどのように使用されているのかを具体的に紹介しています。
USB Type-C とは?
最近では、ノート PC をはじめとする多くの機器に小型の USB Type-C コネクタが搭載されています。USB Type-C は新規格の超高速 USB 3.0 / 3.1 に対応したコネクタで、ビデオ接続にも利用できます。外付けディスプレイや、ネットワーク、その他 USB 機器を同ポートに接続する方法について、Black Box 用語事典 USB Type-C と USB 3.1 とは? で詳しく学びましょう。
USB 3.1 / 2.0 / 1.1 ケーブルで、プリンタ、スキャナ、キーボード、マウスなどのローカルの USB 機器を接続。離れた場所の USB 機器に接続するには USB エクステンダを使用します。USB ハブとケーブルを使えば、デスクトップ PC やノート PC から、さらに多くの USB 周辺機器やモニタ(USB Type-C のみ)にアクセスできます。
会議
幅広い品揃えの USB ケーブルを使って、USB 3.1 Web 会議システムやその他 USB 機器をどこにでも設置できます。USB 3.1 エクステンダで、複数の会議参加者が最長 100m の距離を LAN ケーブル経由で確実に同時アクセス可能です。USB-C ドッキングステーションを使えば、プリンタ、カメラ、4K モニタなど、複数の USB 機器にノート PC からアクセスできます。
産業オートメーション
共通の USB 2.0 インタフェースを使ったコンピュータ制御(タッチスクリーンなど)を、マシンから遠く、安全で清潔なエリアに移動させることができます。USB 光ファイバ エクステンダを使うことで、最長で 10km 離れた場所から、干渉を受けることなく確実に制御します。USB コンバータを使えば、PC の USB ポートから RS-232 / 422 / 485 機器を制御可能です。あらゆる USB 周辺機器の接続に対応する、多様な USB ケーブルを取り揃えています。
マシンビジョン
マシンビジョンカメラには USB 3.0 インタフェースが搭載されているものの、通常、ケーブル接続長は長くても 3m ほどです。しかし、製品検査の精度の向上や効率化のために、多くの製造業者がこのカメラを導入しています。Black Box の USB 3.0 エクステンダを使えば、100m 離れた場所からでもカメラを制御できます。
医療
病院などの医療機関では、治療を行うエリアから離れた安全な空間にホストコンピュータを設置し、患者データを隔離して管理しなければなりません。USB 2.0 / 3.0 エクステンダは、リモートのデータセンタと、診断装置や撮像装置を繋ぐために用いられます。USB-C ドッキングステーションを使えば、ノート PC と外付けの 4K ディスプレイ、ネットワーク、その他の USB 機器を同時に接続できます。あらゆる形状や規格の USB ポート間を確実に接続する、高品質の USB ケーブルを取り揃えています。
文教
教材や Web コンテンツの変更が容易な電子黒板が、従来の黒板に代わって普及してきています。一貫した学習のために、学校の PC にコンテンツを保存して、生徒にいつでも見せられるようにする必要があります。USB エクステンダがあれば、黒板と PC のギャップを埋め、コンテンツの共有が簡単になります。今日の教育現場では、2 in 1 タイプ(コンバーチブル型)のノート PC が広く使われ、こうしたノート PC には小型の USB Type-C ポートしか搭載されていないので、USB-C ドッキングステーションや USB ケーブルとアダプタをあわせて使うことで、ネットワーク、ディスプレイ、プロジェクタなどにノート PC を接続し、プリンタ、スキャナ、オーディオシステムといった複数の USB 機器を追加することができます。
セキュリティ
セキュリティカメラや指紋認証、網膜スキャンなどの ID システムは、通常、データサーバから遠く離れた場所に置かれています。USB エクステンダを使って 2 つのエリアを接続することで、帯域幅を大量に消費する画像や動画の伝送であっても高速で確実に実行できます。
デジタルサイネージ
小売店では、買い物客の興味をひく目的でデジタルディスプレイに広告を表示しています。USB 2.0 インタフェースの付いたインタラクティブなタッチスクリーンが使われており、その場ですぐに商品を購入できるようになっていることもあります。タッチスクリーンと ERP システムの接続には USB ケーブルが便利です。これに対し、USB エクステンダはショッピングモール全体の長距離接続に使用できます。