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HDMI over イーサネットとは|Black Box 用語事典

HDMI over イーサネットとは

Black Box Explains

HDMI over IP とも呼ばれる HDMI over イーサネットは、既存のイーサネットインフラを使用して、1 つのソースから無制限の数のスクリーンに HD ビデオ信号を配信します。ポイントツーポイント延長、1 対多配信、異なるグリッドレイアウトのビデオから拡大縮小できるビデオウォール処理など、さまざまな設定で使用できます。従来の LAN ビデオエクステンダが持つ距離の制限を超えて、ビデオ信号をソースからスクリーンへ切替えます。

HDMI 配信とは

エクステンダ、スイッチ、マトリクスなど、1 つの入力信号を受信し、グランドループや信号劣化なしに同じ信号を複数の独立した出力や宛先に配信する AV 機器が、HDMI 配信を行います。マルチアンプ、ケーブルテレビ、モニタ分割、ミックスなど一般的なエンジニアリング作業に使用したり、エフェクトユニットを通す前に信号をタッピングして、後の作業用のドライ(そのままの)信号として保存したりします。

HDMI content distribution diagram

構成図: MediaCento™ を使用した HDMI コンテンツ配信

HDMI を長距離延長する方法

標準ディスプレイや同軸ケーブルでのビデオ信号の長距離延長(5m 以上)は、あまりお勧めできません。VGA、コンポジット、その他のアナログビデオケーブル接続は、周波数損失でビデオ品質が低下するので、一般に距離が短い用途向けです。UTP ケーブルか光ファイバケーブル経由のアナログ VGA、S ビデオ、コンポジット、BNC 同軸ビデオの伝送に対応したエクステンダは、長距離延長のためのバックボーンか水平配線で使用可能で、アナログビデオケーブルや同軸ケーブルの代用になるものですが、狭い配管にケーブルを通して簡単に引っ張ることができず、終端処理がより困難な場合があります。

この方法は、データ通信用にすでに LAN ケーブルか光ファイバケーブルが設置されている建物で推奨されます。光ファイバ経由のエクステンダは、LAN エクステンダよりはるかに長距離で、より高い帯域幅と干渉のない延長が可能ですが、その分コストもかかります。同軸や VGA ケーブルエクステンダの設置には、通常、制御信号をディスプレイに送信するために個別の RS-232 か USB 接続、また、ケーブルをもう 1 本配管に通さなければなりません。しかし LAN ケーブルは、ビデオと制御信号の両方を 1 本のケーブルで配信できます。アナログ VGA ビデオ信号入力に対応する MediaCento VX は、LAN を介して 1920 x 1200 の VGA ビデオ信号を送信します。

イーサネット経由でビデオを送信する方法

IP 延長は、ビデオ信号を長距離にわたり延長する方法です。AV / KVM 延長技術を使い、光ファイバケーブルでロスレス圧縮ビデオを伝送すると、最大 4K @60Hz の解像度の長距離ビデオ延長が可能になります。この方法は、高解像度の DisplayPort 1.2 ビデオ信号、キーボード / マウス、USB 2.0、RS232、オーディオに、十分な帯域幅を提供します。

たとえば、スタジアムに設置されたハイエンドの AV over IP システムは、H.264 などの圧縮アルゴリズムを利用して信号遅延が目立たない 1 秒あたり 2 か 3 フレームにまで縮小し、パケット化されたデータをさらに長距離まで送信します。ライブ中継や編集済みのビデオコンテンツを見せることで、観客により充実した経験をもたらします。

IP 経由の延長では、標準のマネージド イーサネットスイッチを使用してさまざまなビデオ信号を延長し、LAN ケーブルが対応する 100m 以上の長距離にも対応できます。

HDMI over イーサネット を使用する場面

マルチルーム HDMI / デジタルサイネージ

HDMI のマルチキャストで、サイネージネットワークのスクリーンにビデオとオーディオを配信できるようになります。1 台のトランスミッタで、バックルームからロビーのディスプレイまで専用のビデオリンクを張る必要はなく、マルチメディアを何百ものディスプレイに配信できます。マトリクスとビデオの延長ソリューション、USB エクステンダ、ビデオと周辺機器の延長、スイッチ(KVM セットアップなど)を組み合わせることで、タッチ式の双方向サイネージディスプレイや小売店、病院、学校、役所などに置かれた案内ディスプレイなど、さまざまな用途に設定可能です。

ビデオウォール処理

IP 経由のコントローラを使用すると、ビデオ配信設定を AV マトリクス切替かビデオウォールコントロール設定に変換し、ソースからディスプレイへのコンテンツ配置が可能になります。複数の AV レシーバを 1 つのビデオウォールに組み合わせると、プリセット、特定のコンテンツゾーン、コンテンツを遠隔で作成できます。また、携帯電話やタブレットからプリセットに簡単にアクセスして有効化できます。

ビデオマトリクス切替

クロスポイントスイッチとも呼ばれるビデオマトリクススイッチは、複数の入力を複数の出力に接続するタイプのスイッチで、対応するタイプと入力数(例えば HDMI コンテンツプレーヤ)と出力数(スクリーン)を組み合わせるように構成できます。スイッチの各入力は、出力ソースかレシーバにルーティングすることも、同じ入力をすべての出力にルーティングすることも、それらの間の組み合わせにルーティングすることもできます。たとえば、8 x 8 マトリクススイッチは、8 つの入力から 8 つの出力や 1 つの入力から 8 つの出力、または 1 ~ 8 の組み合わせでルーティングできるので、異なるソースのビデオを異なるスクリーンに表示する際に、ケーブルを接続し直す必要がなくなります。このスイッチは、HDMI ビデオで現在最も一般的に使用されています。

このマトリクス切替設定では、複数のデジタルかアナログソースを組み合わせて複数のデジタルディスプレイに切替えることができます。このように、HDMI 信号は増幅され、いくつかのビデオソース(PC、DVD プレーヤ、タブレットなど)から様々なディスプレイ(LCD、プロジェクタなど)とスピーカに簡単にルーティングします。

HDMI over イーサネット製品

HDMI イーサネットエクステンダ

IP 延長は、データを長距離延長する方法です。将来にわたっての使用やどこまで延長するか、どの信号を送信するかに応じて、LAN と光ファイバケーブルのどちらを使用するのかを選択できる柔軟性があります。IP ベースのエクステンダは、通常 100m のセグメントを介してデータを送信しますが、リピータとしてイーサネットスイッチを使用することでさらに延長可能です。光ファイバケーブルを使用すると、信号は最大 16km まで延長できます。

Black Box には、ネットワークの存在するところであれば、イーサネット ネットワークを経由して事実上無制限のスクリーンに HDMI ビデオとオーディオを送信できる HDMI over-IP エクステンダがあります。1 つのソースから 1 つのスクリーンにオーディオ / ビデオを延長(ユニキャスト)したり、同じコンテンツを複数のスクリーンに配信(マルチキャスト)したりできます。

HDMI over イーサネット スイッチ

HDMI over IP スイッチとも呼ばれる HDMI イーサネットスイッチとマトリクス切替ソリューションは、複数のソース(コンテンツプレーヤなど)と IP 経由のディスプレイとの間で HDMI ビデオ信号を切替できます。専用のマトリクスを作成するには、専用のギガビットネットワークスイッチで複数のトランスミッタとレシーバを接続するか、トランスミッタとレシーバを 1 本の CAT5e / 6 ケーブルで直接接続して、ポイントツーポイント(P2P)エクステンダとして使用します。

MediaCento ビデオ over IP ソリューションは、1 つのイーサネット ネットワーク上で HDMI ビデオとオーディオを最大 256 のスクリーンにマルチキャストする、高解像度デジタルサイネージコンテンツやその他の HD ビデオとオーディオ配信に最適なソリューションです。詳細は、製品ページをご覧ください。

HDMI から IP へのエンコーダとデコーダ / HDMI から IP へのストリーマ

HDMI から IP へのエンコーダは、IP ネットワーク接続を経由したストリーミングのために HDMI ビデオとアナログオーディオ入力信号を H.264 に変換することができます。一方、HDMI から IP へのデコーダは、圧縮 IP データストリームを復号化してリモート出力機器に表示します。これらの機器は、特定のコーデックと共に使用される場合、IP ストリーマとも呼ばれます。

HDMI-over-IP H.264 エンコーダは、標準の IP ネットワークを経由して高品質のビデオをエンコード(送信)とデコード(受信)します。デコーダは H.264 圧縮を使用し、高い帯域幅を必要としないので、フル HD ビデオとアナログオーディオをデコードするときに非常に効率的です。AAC オーディオ エンコーディングにも対応していて、高品質のオーディオ信号を低帯域幅で配信できます。

HDMI製品

HDMI スプリッタ

HDMI スプリッタは、HDMI 信号を分割して複数のスクリーンに表示します。また、ビデオチャンネルとは別にオーディオ配信のためにも使用でき、歪みや減衰のない正確で信頼性の高いデジタルビデオ再生を可能にします。ショッピングモールや学校のキャンパスなどでオーディオチャンネルの分割が必要なときには、信号損失なしに HDMI ソースを複数の出力間で同時に分割できるこのオーディオ付きHDMI スプリッタが役立ちます。
HDMI スプリッタの詳細

HDMI コンバータ&スケーラ

HDMI コンバータは、デジタル HDMI を、アナログ VGA、SDI、デジタルオーディオやアナログステレオオーディオ付きコンポーネントビデオ(またはその逆)に変換します。従来の非デジタルディスプレイを新しいデジタル HDMI や DVI ソースに接続するための、費用対効果の高いソリューションです。

デジタル HDMI からアナログステレオオーディオや SPDIF デジタルオーディオ付きアナログコンポーネント / コンポジットビデオに瞬時に変換する HDMI コンバータ / スケーラを使用すると、テレビなどのアナログビデオレシーバや外付けのテレビレシーバを DVD プレーヤやビデオゲーム機などの HDMI ソースに簡単に接続します。

HDMI アダプタ

HDMI アダプタで、HDMI 入力機器を DisplayPort、DVI、VGA ディスプレイ(またはその逆)へ簡単に接続できます。Black Box のアダプタは、高帯域ビデオフォーマットをサポートしていることが特長です。

HDMI KVM エクステンダ

AV / KVM エクステンダは、VGA、HDMI、DVI、PS / 2、USB ケーブルの帯域幅と距離の制限を超えるのに重要な役割を果たします。従来の(直接接続)KVM エクステンダは、ビデオ信号を光ファイバか LAN を経由して長距離伝送します(LAN は最大 100m、光ファイバは最大 10km)。

HDMI KVM エクステンダは、最大 4K60 のビデオ信号、USB 2.0、オーディオ、シリアル RS232 を延長します。

ビデオ配信プロジェクトを進めるときに考慮すること

ビデオ配信プロジェクトは手間のかかる作業であり、多方面から考えて設計する必要があります。

  • 延長されるビデオの種類
  • 接続するソースと出力の数
  • 必要なビデオ品質と解像度、EDID 情報を配信できるかどうか
  • ビデオ信号に音声がエンベデッドされているかどうか

Black Box は、放送やポストプロダクション、スタジアム&アリーナ、医療、航空管制、石油&ガス、自治体&公共機関、軍事、公益産業向けに信頼性の高い AV と KVM ソリューションの設計、統合、維持をお手伝いをし、安全な接続、速い応答時間、リアルタイムのコラボレーションなどを提供します。

 

HDMI over イーサネットの知識を深めましょう

ホワイトペーパー:
IP 経由のビデオ伝送 - 課題とソリューション

AV 関連の機器を導入する際、確認すべき以下のことについて詳しく知ることができます。

  • ネットワーク機器
  • 帯域幅の消費
  • 圧縮方法